Google Compute Engine のVPSを永久無料枠内で使う方法
GCP ( Google Cloud Platform ) は Googleが提供するクラウドサービスです。
その中の一つのサービスに GCE (Google Computing Engine)があります。
GCPとGCEで名前が似ているのでややこしいですが、かんたんに説明するとGCEはVPSのようにOSから構築して運用することができるサービスです。
GCPのサービスは1年間 300ドル以内の枠で無料で使用することができます。現在は3ヶ月間 300ドルに変更されています。
加えて Always Free という永久無料枠を利用することで1年が過ぎてもずっと無料でGCEを利用し続けることができるのです。
GCE のAlways Free について
- us-west1, us-central1, us-east1 のどれかのサーバーを使う
- メモリ0.6GB
- 1ヶ月で1GB 以内の通信 (オーストラリアと中国は別)
- ディスク30GB
利用していない固定IPアドレスは開放しないと課金対象になります
GCPに登録
まずは、GCPに登録が必要です。
Googleアカウントが必要なので既存のアカウントを利用するか、新規で作成してから以下のURLにアクセスします。
https://cloud.google.com/?hl=ja
GRC 無料トライアル のボタンをクリックします。
利用規約に目を通してチェックをします。
自動的に料金が請求されることがないことが明記されています。
アカウントの種類は 個人 でOK
住所と名前を入力します。
無料枠利用であってもクレジットカード情報を入力します。
これでGCPへの登録は完了です。
GCE のVMインスタンスを作成
あとは、GCP のサービス GCE の設定をします。
左側のメニューから「コンピューティング > Compute Engine」を探してください。
サブメニューが表示されるので、「VM インスタンス」を選択します。
利用には、課金設定が必要なので、「課金を有効にする」にします。無料枠で使うので実際に請求されることはまずありません。
VM (Virtual Machine)インスタンスを作成しましょう。新規なので「作成」をクリックします。
VM インスタンスの初期画面
このまま作成するとAlways Free では使えないので環境のカスタマイズします。
Always Free
サーバーのリージョン(設置場所)をこの内のどれかに設定します。特に理由がなければ日本から地理的に一番近いアメリカ西部のオレゴン州にあるus-west1がいいと思います。
- us-west1 (オレゴン)
- us-central1 (アイオワ)
- us-east1 (サウスカロライナ)
ゾーンは好きなものを選択してください。
マシンタイプ:micro (f1-micro)を選択
Always Free 利用可能なのは f1-microのみです。メモリ0.6GBになります。
VM のOSを選択します。
ファイアウォールの設定です。
http (80番ポート)、https (443番ポート) をWebサーバーで利用する場合はチェックを入れましょう。
続いてネットワークインターフェースの設定を行います。
「 管理、セキュリティ、ディスク、ネットワーク、単一テナンシー」をクリックします。
ネットワーキングタブから、ネットワークインターフェースを選択します。
外部IPがデフォルトの「エフェメラル」になっていると動的にIPアドレスが変わってしまうので、固定IPにするために「IPアドレスを作成」で設定する必要があります。
名前を適当につけて、「予約」をクリックすると自動で固定IPが設定されます。
ネットワークサービス階層はそのまま「プレミアム」にしておきます。
最終的にこんな感じの構成になりました。
VMインスタンスの操作
VMの操作にはSSHを利用するか、gcloudという内部ターミナル で操作ができます。他のVPSなどで操作に慣れている場合は外部から操作できるSSHを使います。
とはいってもVM作成直後はパスワードもわからずSSH認証ができないので、まずはSSHを開いて公開認証鍵を作成する必要があります。
作成したインスタンスをクリックして左のメニューからSSHをクリックするとSSHのコンソールウィンドウが開きます。
cd ~
ssh-keygen -t rsa
# 必要があれば認証パスワードを設定(空でもOK)
mv ~/.ssh/id_rsa.pub ~/.ssh/authorized_keys
chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys
cat ~/.ssh/id_rsa
cd ~
ssh-keygen -t rsa
# 必要があれば認証パスワードを設定(空でもOK)
mv ~/.ssh/id_rsa.pub ~/.ssh/authorized_keys
chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys
cat ~/.ssh/id_rsa
表示された認証鍵をコピーして、テキストエディタなどにペーストして保存しておきましょう。名前はとりあえず「id_rsa」にしておきます。
Teraterm などのSSHクライアントを利用してSSH接続しましょう。
IPアドレス:VMインスタンスのIPアドレス
ユーザー名:Googleアカウントの @gmail.com 以前のユーザー名
接続ができました。
無料枠を越えないように予算の設定
万が一無料枠を超えてしまった場合でも、1円でも課金が発生した時点で通知してくれるようにしておきましょう。
メニューの「お支払い」>「予算とアラート」で設定を開きます。
予算を作成
細かく設定できますが、とにかく1円でも発生したら通知するよう設定します。
予算額のところを ¥1 にしておけばOKです。
そして保存しておきましょう。
Cloud Consoleというアプリをいれておけばスマホでも状態をチェックできるので便利です。
Cloud Console
Google LLCposted withアプリーチ
この記事のまとめ
GCEのAlways Free 枠だと1GBの制限があるため常時公開するようなWebサーバーとしては使えないと思います。
通信量の少ないサービスや、内部で処理するようなプログラムの開発にはよいでしょう。
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